企業での経験を活かしてポートフォリオを作る方法【クリエイティブ職向け】 | ZEROWORKS(ゼロワークス)

2025.07.07

企業での経験を活かしてポートフォリオを作る方法【クリエイティブ職向け】

「クリエイティブ職のインターンに応募したいけど、ポートフォリオってどう作ればいいの?」

 そんな悩みを抱える大学生は少なくありません。特に、企業でのインターンやアルバイトを経験したものの、それをどう作品としてまとめるか分からず困っている人も多いでしょう。

本コラムでは、企業での実務経験をどうポートフォリオに落とし込めばいいのか、クリエイティブ職(デザイン・動画・Web・ライティングなど)を目指す学生向けにわかりやすく解説します。


なぜ企業経験をポートフォリオに入れるべきなのか?

企業での実務経験は、学校の課題や自主制作とは違い、「実際に誰かのために作ったもの」です。成果物のクオリティだけでなく、以下のような点をアピールできます。

  • クライアントや上司の要望を理解し、形にした経験
  • 納期・制約の中での制作スキル
  • チームでの役割やコミュニケーション能力
  • 実際にリリースされた、もしくは使用された実績

こうした要素は、企業が新たなインターンや新卒を採用する際に重視するポイントです。単なる作品の良し悪しではなく、「どう働けるか」を見せることが重要なのです。


ステップ①:掲載可能な実績を確認する

まず大前提として、企業での制作物が公開・掲載可能かどうかを必ず確認しましょう。社外秘のプロジェクトや、未発表の広告デザインなどは、勝手にポートフォリオに載せるとトラブルになります。

もし掲載がNGの場合でも、以下のような工夫で実績を伝えることは可能です。

  • デザインの一部だけを切り取って見せる
  • ロゴや商品名などをマスク処理して公開する
  • 成果物を公開せず、「携わった内容と自分の役割」を文章でまとめる

ステップ②:作品単体でなく、「プロセス」を見せる

企業経験を活かしたポートフォリオの最大のポイントは、「完成物」だけではなく「プロセス」にあります。たとえば、以下のような情報を添えてみましょう。

  • プロジェクトの目的や背景(例:新サービスの認知向上を目的としたSNS広告)
  • 自分の担当範囲(例:バナー案の初期ラフ〜最終納品データ作成まで)
  • 制作で工夫した点(例:ターゲットに合わせた配色・視線誘導)
  • 成果や反響(例:クリック率が前月比120%UP)

こうしたプロセスを共有することで、あなたがどのように考え、動き、結果を出したかが伝わりやすくなります。


ステップ③:見やすく、ストーリー性のある構成を心がける

ポートフォリオは「デザイン作品集」ではなく、「自己紹介ツール」です。採用担当者が一人ひとりに時間をかけて見るとは限らないため、見やすく整理された構成にすることが重要です。

おすすめの構成例:

  1. 表紙・自己紹介(簡単なプロフィール、使用ツール、得意分野など)
  2. 企業プロジェクト①
    • 背景・課題
    • 担当内容・使用スキル
    • 制作プロセス(ラフ案〜完成)
    • 完成物・成果
  3. 企業プロジェクト②(上と同様の形式)
  4. 自主制作 or 学校課題
  5. まとめ・今後の目標

実務と自主制作の両方があることで、「現場対応力」と「個人の感性」の両面をアピールできます。


ステップ④:ポートフォリオの形式にもこだわる

提出方法に応じて、ポートフォリオの形式も工夫しましょう。

  • PDF形式:オンライン提出やメール添付に便利。スライドのように見せられる。
  • Webポートフォリオ:URLひとつで共有できる。ノーコードツール(STUDIO、Wix、Notionなど)でも作成可能。
  • 印刷ポートフォリオ:対面の面接や説明会に有効。紙面の構成やデザインセンスも評価対象に。

大切なのは、「見せたいもの」ではなく「相手に伝わるもの」を意識すること。レイアウトや配色も、自己満足で終わらず客観的な視点を持ちましょう。


企業経験が少ない人でもできる工夫

「インターンに行ったけど、デザイン経験がほとんどない…」
そんな場合でも、ポートフォリオに活かせるポイントはあります。

  • 実務では使われなかったけど、自分で作った別案を紹介
  • 企業での観察・フィードバックから学んだ改善点を元に再制作
  • 社内マニュアル・資料などの改善提案をまとめて紹介

量よりも、「その経験から何を学び、自分はどう成長したか」が伝わるようにしましょう。


おわりに:ポートフォリオは“成長の証”

ポートフォリオは、単なる「作品集」ではなく、「あなたの成長と姿勢」を伝えるツールです。企業でのインターンやアルバイト経験をただ並べるのではなく、「どう考えて動いたか」「どんな価値を出したか」を意識してまとめることで、他の学生と差別化できます。

これからポートフォリオを作る人も、すでにある人も、一度立ち止まって「見る人に何を伝えたいか」を考えてみましょう。その姿勢こそが、次のチャンスを引き寄せる第一歩です。